治療後の痛み
2020年01月11日
こんにちは。
本日は痛くなかった歯にも関わらず、治療後に「しみ」「痛み」が出てくるケースについてお話しします。
*色々なケースがありますが、今回は「神経のある歯でむし歯が深かったケース」についてです。
当院にも、他院で「治療したせいで痛くなった」とおっしゃる方がいらっしゃるケースも多いのですが、ほとんどのケースは歯科医師がきちんと治療をした結果であることがほとんどです。
決して、「むし歯が残っている」「削りすぎた」などというわけではないので、ご安心下さい。
むし歯が広がっていて神経にかなり近い状態であるむし歯は、治療後の歯は、神経が近くなった分だけ口の中の刺激が神経にすぐ伝わります。
これが、治療後歯がしみる理由の一つです。
ただし、これは「第二象牙質」ができればしみにくくなります。
ですが、むし歯が神経にかなり近い歯の場合は、治療後も刺激が強く、第二象牙質の効果が及ばず、神経がやられてくることがあります。
治療をしなければ良かったという人もいるかも知れませんが、こういった症状が出てくるむし歯は治療を先延ばしにした際は、むし歯の菌に神経がやられてきます。
その際には「何もしなくても痛い」ような痛みが出てくるので、やはり治療は早くしたほうが良いのです。
では、感じている「しみによる痛み」がどうなるかです。
第二象牙質が出来てきて痛みがなくなるのが先か、刺激で神経がやられるのかが先になります。
第二象牙質によってしみなくなるまでの期間は、歯の状態や人により違います。
1~2週間から半年ぐらいまで様々です。
ですが、「温かいものでしみる」「何もしなくても痛い」といった刺激が出るほどの深さだった場合は、第二象牙質の効果に期待できないことも多いです。
その際はC2ではなく、C3として歯の神経の処置を行う必要があります。
また、日常生活のなかでしみや痛みに耐えられない時は、神経の処置を行う場合もあります。
神経の処置を行えば、感じている「しみ」「痛み」はなくなることがほとんどです。
我々歯科医師は、なるべく弱っている神経であっても、その後の回復を期待して神経を簡単には処置しません。それくらい歯の神経は大事なものです。
むし歯の処置後にしみるというのは、ほとんどのケースが歯科医師が一生懸命、患者様の神経を極力温存しようとした結果であることがほとんどです。
その点をご理解いただけると、歯科医師の一人として非常に嬉しく思います。