2023年08月21日
こんにちは、歯科医師の大藤です。
暑い日が続いていますね。夏バテや疲れを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
疲れが溜まったときに、ふと「痛っ」と感じお口の中を鏡で見ると大きな口内炎が、、、なんて経験をしたことがあるのではないでしょうか?
口内炎があると、お食事が思いっきり楽しめず、つらいですよね。
口内炎は多くの方が経験したことがある疾患です。しかし、一口に口内炎といっても、実ははっきりとした原因は分かっておらず、様々な種類、原因があると言われています。
ビタミン不足や睡眠不足、ストレス、免疫力の低下によるウイルス感染、ホルモンバランスの乱れ、ブラッシングによる損傷や粘膜を傷つけやすい歯並び、なかには服用中の薬剤や全身の疾患によりできるものもあります。
直径0.3~1㎝程度の円形または楕円形で、灰白色または黄白色の膜に覆われ、縁が赤くなって痛みを伴います。
口内炎ができてしまったら、残念ながら治るのを待つことにはなりますが、治りを促してくれる方法をご紹介していきます。こちらは、口内炎の治りを促進してくれますが、もちろん予防にも繋がりますので、まだできていないという方やよくできてしまうという方にも参考になれば幸いです。
まず、口内炎ができるのは頬粘膜や舌、歯茎ですので、粘膜の清潔と強化を意識し、ストレスに負けない身体を作るための栄養を摂取すると良いです。
粘膜の清潔に重要なのは、何よりも日々のブラッシングです。食後や就寝前のブラッシングはもちろん、なるべく毎回隅々まで丁寧なブラッシングを心がけましょう。口内炎ができている部分には刺激が加わらないよう力を入れすぎず、優しく磨きましょう。
粘膜の強化には、栄養素が深くかかわると言われ、中でもビタミン群の摂取が効果的です。特に、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCの多い食材が特におすすめです。
・ビタミンA:皮膚や粘膜の健康維持
(含まれる食材)レバー、カボチャ、ニンジンなど
・ビタミンB2:粘膜の保護
(含まれる食材)レバー、ウナギ、納豆、アーモンドなど
・ビタミンB6:皮膚や粘膜を生成
(含まれる食材)カツオ、マグロ、鮭、鶏肉、玄米、バナナなど
・ビタミンC:抗ストレス作用
(含まれる食材)ブロッコリー、柑橘、緑茶など
このほか、口内炎に対する生活習慣のアドバイスとしては、お酒やたばこを控えることや、女性の場合は鉄分の多い食材の摂取を心がけるとより良いです。
歯科医院では塗り薬としてステロイド系の軟膏などを処方することもありますが、自分自身を労わることが予防、治癒への一番の近道です。
いかがでしたか?口内炎ができてしまったら、まずは自分の生活を振り返り、十分な休息を取って、厳しい暑さの夏を乗り越えていきましょう!
2023年01月6日
皆さん、こんにちは。歯科医師の平形です。
朝晩も冷え込み、私も日に日に、暖房に頼りっきりとなり、その分”乾燥”とも戦う日々にございます。
皆さんは何かの『乾き』にお悩みではないでしょうか?
私は”ドライアイ”で、夕方になると症状に苦しむこともあります。同じお悩みの方もいらっしゃることと思います。
また、患者さんから『口の乾き』について相談されることも度々ございます。
目の乾きは涙、お口の乾きは唾液が影響していますが、どちらも体内の水分量と関係します。
1日の水分の摂取量の目安として、「2リットルのお水を飲んでね」という目標をよく耳にすると思います。
実は、一般的な唾液量も1日に1.5リットルほどになります。
ほかにも尿や汗、涙・・・水分はあらゆるところで必要になるため、もともとの水分の摂取量が足りなければ、至るところで、枯渇して、カサカサしてきてしまうわけです。
唾液量が少ないと、滑舌が悪くなります。ヒリヒリしたり、ネバネバするような感覚がある方もいらっしゃいます。
そして唾液には、お口のバランスを整える機能があります。そのため、唾液量が少ない人は、むし歯や歯周病が進行することも考えられます。
もちろん、唾液量の低下は水分量による影響だけでなく、加齢や病気も原因として挙げられます。
唾液線を刺激するマッサージもおすすめしておりますので、こちらは次回の私のブログでお伝えできれば、と思います。
これからの季節、皆さん寒いとなかなか水分を摂取することに意識が回りにくくなるものです。
水分が足りなければ、なにも乾燥するだけではなく、高血圧や脳梗塞のリスクにもつながります。
いつもより少し意識をして、コップ1杯をプラスして飲む習慣をつけてみると、体内の水分バランスが整えることが出来るかもしれません。
そんな日常の小さなきっかけから、皆さんの健康をサポートさせていただければと思います。
今、この文章をPCで打ち込む自分の指を見たら、ささくれが見つかりました。
アルコールでの手指消毒が生活に定着しているこの時代では、ハンドクリームも手放せませんね。
乾燥を好むウイルスたちに打ち勝つためにも、しっかり保湿していきましょう。
2022年07月23日
こんにちは、歯科医師の今野です。
このコロナ禍におけるマスク生活で、「口臭が気になる」という患者さんが増えたように思います。
口臭の悩みというのはセンシティブな悩みなのでなかなか周囲に相談できず、深刻に悩んでいらっしゃる患者さんもいらっしゃいます。
では、口臭の強い人が増えているのか、というとそういうわけではなさそうです。
「口臭」と一言で言っても、臨床的には3つの種類に分けられます。
① 自臭症(非病的口臭):
歯科的にも医科的にも病的な口臭を認めないが、患者が主観的な自覚的な臭気に悩んでいる場合。
② 他臭症:
直接的な原因となる病的問題から発生する病的口臭で悩む場合。
③ 仮面他臭症
はじめは他臭症であったが、問題となる病的口臭が完治したにもかかわらず、自臭症に陥る場合
実は口臭に悩む約80%の方は、①自臭症であり、病的な問題を持たないといわれています。
反対に、病的な問題を持つ②他臭症の方は、臭気が常に存在するために患者自身では自覚しにくく、他人の指摘を受けて受診することが多いといわれています。
こちらは口臭を主訴に来院される方の約20%未満です。
では、病的な原因のない自臭症の方は、どうして口臭に悩んでしまうのでしょうか?
それは、人の嗅覚の特徴として、一度気にしてしまうと、嗅覚の閾値が低下し、微量な臭気であっても強く気になってしまうようになる、ということが原因としてあげられます。
特に今はその臭気がマスクの中に停留するので余計に気になるのでしょう。
そもそも「自臭(自覚的・非病的口臭)」とは、治療の必要のない生理的口臭(起床時や空腹時、緊張時などに一時的に起こる口臭)や社会的容認限度内の微細な口臭であって、かつては、気にしないように説明されるか、精神的な問題として扱われてきました。
しかし、それだけでは解決されず、口を閉じがちになったり、人前で会話を控えるようになり、コミュニケーション阻害が生じてしまうこともあります。
当院では、実際に口臭がどの程度あるのか、原因物質は何かをガスクロマトグラフィーを用いて調べる口臭検査を行っています。
「自臭」であることが分かればそれだけで気持ちが楽になる方もいらっしゃいます。
ご希望の方はお気軽にご相談ください。
2022年07月5日
こんにちは、歯科医師の熊澤です。
みなさんは虫歯治療後にしみる経験をしたことはありますか?
痛みはなかったのに、治療したらしみる症状が出た経験をした人もいるでしょう。
治療後にしみる原因はおおまかに2つあり、むし歯の大きさと治療時の刺激です。
まず1つ目のむし歯の大きさですが、歯の内側には痛みを感じる神経があります。
むし歯が大きくなるほど神経との距離は近くなり、しみる症状は強くなります。
2つ目の治療時の刺激ですが、むし歯の治療では高速回転させた器具を使用します。
水を出しながらではありますが、摩擦による熱刺激が神経に伝わります。
むし歯の治療中は麻酔が効いているため痛みは感じませんが、麻酔が切れてくるとしみる症状が出てくることがあります。
ただししみる症状がずっと続くわけではありません。
数日で落ち着く方もいれば数カ月かかる方もいます。
しみるくらいなら治療しない方が良かった!と思う方もいるかもしれません。
むし歯の中には痛みもなくジワジワと進むものもあります。
気づかず放置することによってズキズキとした耐えられない痛みに変わり治療が大掛かりになる可能性もあります。
むし歯は早期発見・早期治療が大切です。むし歯を見つけたり、痛みを感じたりしたら早めの受診を心がけましょう。
次回はしみる症状が落ち着いていく原理についてお話していきます。
2022年04月4日
こんにちは、歯科医師の鈴木です。
本日はむし歯になりやすい食べ物についてお話します。
むし歯になりやすい食べ物に共通する特徴として、
・歯にくっつきやすい食べ物
・口の中に長く残る食べ物
・糖分が多い食べ物
などがあります。
一番イメージしやすい食べ物で言うと、「キャラメル」はその代表です。
他にはアメやチョコレートなども挙げられます。
糖分の含まれる飲み物などもむし歯になりやすい食べ物と言われており、コーラやスポーツドリンクなどがその代表です。
また、見落としがちな食べ物として、僕が注意してほしい食べ物の一つが「のど飴」です。
風邪をひいた時や喉が痛い時に、1日中のど飴を舐めていたり、寝る前に舐める、そのまま寝てしまうなんて経験はありませんか?
のど飴を薬のような感覚で使用している人が意外と多いかもしれませんが、のど飴にも糖分が入っています。
最近では、代用甘味料などむし歯になりにくい糖分で作られた食べ物も増えてきています。
当院では、小さなお子さまがむし歯予防をしながら食べられる「むし歯になりにくいチョコレート」や「むし歯になりにくいグミ」などの販売も行っておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください!
2022年01月29日
こんにちは、歯科医師の鈴木です。
本日はこどもの歯並びについてお話します。
最近5〜10歳くらいのお子さんの歯並びのご相談を受けることが多くなってきており、世間のお父さんお母さんがお子さんの歯並びに興味を持っていただけてることがすごく嬉しいです。
子どもの頃に治しておいた方が良い!と思っている方が多くいらっしゃるのですが、まさにその通りで歯並びは早くに治療した方が長い目でみた時に良い結果が得られることが多いと思います。
実際には「早く治療した方が良い」というよりは「早めに相談した方が良い」という方が正しいかもしれません。
というのも、この年齢のお子さんの歯並びは大人の歯(永久歯)とこどもの歯(乳歯)が混在することが多いため、
・いつから始めるのがベストなのか?
・今だったらどの治療法を選ぶといいのか?
・今は様子を見てていいけど、〇歳くらいになったらやった方が良い
などが、その子のお口の中の状況で変わります。体の成長に個人差があるように歯の生え変わりの時期にも個人差があるので、同じ年齢であってもひとりひとりお口の中は同じではありません。
中には、あとで生えてくる予定の大人の歯が生まれつきない!なんてこともあります。そう言った場合にも、ないことを早めに知っておくことで、ベストな時期にベストな治療を選択することができます。
お子さんの歯並びは、治療自体は今すぐでなくても、早めに一度相談しておくと、このままで良いのか?いずれは治療した方が良いのか?を判断することが出来ますので、もしお子さんの歯並びでお悩みの方がいれば、お気軽にご相談ください。
2021年10月16日
こんにちは、歯科医師の平形です。
前回、口蓋隆起のお話をした際に、お口の中の粘膜にできるトラブルについてお話したい、と書きました。
皆さんは口内炎はできる方ですか?私は度々口内炎の襲撃を受けています。
痛い上に、何故か複数出来てしまうことも珍しくなく、生活する上で、かなり気になってしまい、仕事に集中出来ないこともあります。
お話やお食事も取りにくくなる厄介な症状ですが、原因は一つではなく、その時々で判断が必要です。
①傷
②ストレス、疲れ
③ウイルス
④カビ
⑤ガン、もしくはその治療での副作用
⑥アレルギーなど
今日はその中でも①傷で出来やすい口内炎についてお話して行こうと思います。
カタル性口内炎、単純性口内炎と呼ばれるものです。
食事中にほっぺの内側や舌を噛んでしまった時や、転んで地面に口をぶつけ、傷から地面の細菌に感染したときなどが代表的な原因です。
また、口の中が不衛生であったり、熱い食べ物で火傷したときなどに出来ることもあります。
痛みもあり、苦しいと思いますが、他の特徴として、傷ついた部分だけ白い口内炎が出来るというところがあります。1週間程度で自然に治るため、何か特別に薬や処置は必要ありません。
よく、小さいお子さんのお口の中で、この口内炎を発見した保護者の方が、びっくりして当院へご連絡してくださる方もいらっしゃいますが、基本はしっかり食べて、しっかり休んで、健康的に過ごすことが、治すことへの近道になります。
焦らず、過ごしましょう♡
ただ、痛みもあり、生活に支障が出る方もいらっしゃると思いますので、気になる際は一度我々歯科医師に確認させて頂ければと思います♡
2021年07月24日
こんにちは、歯科医師の熊澤です。
夏に入り、群馬県はかなり熱くなってきましたね。
本日は審美セラミック治療、いわゆる白い詰め物についてお話しようと思います。
みなさんは審美セラミック治療についてどんなイメージを持っていますか?
見た目が良い?虫歯になりにくい?様々だと思います。
セラミック治療はセラミックス(陶材)のブロックを接着剤(むし歯治療で使用されるプラスチックに似たもの)を使用してつけることを指します。
セラミックスは陶材を使用しているので、金属やプラスチックと比較して
・汚れが付きにくい
・変色しにくい
・膨張、収縮が少ない
・使用する接着剤が溶けない
等の利点が挙げられ、これらが見た目が良い、虫歯になりにくいと言われる理由です。
金属の詰め物は5年間で60%程度しか持たないとの研究があります。
その原因は金属の膨張収縮や接着剤の溶出により歯と金属の隙間が生じるためです。
再治療の際は虫歯を削るため、ご自身の歯が少なくなってしまいます。
一方でセラミックの詰め物は5年間で90%以上持つという研究があります。
残りの10%の原因はセラミックの破折がほとんどです。
もしセラミックが割れ、再治療になったとしても今よりも大きく削ることはありません。
みなさんは虫歯になったとき、どういった気持ちを持って治療しますか?
少なからずもう虫歯になりたくないと思っているはずです。
今後セラミック治療を検討している方、詳しく知りたい方がいらっしゃいましたら
お気軽にご相談ください。
2021年07月13日
歯科医師の平形です。
先日、患者さんから「上あごに硬い出来物が出来ていて心配なので見てほしい」というお話がありました。
確認すると、「口蓋隆起」と言われるもので、専門的には「外骨症」といいます。
上の顎に出来るものは「口蓋隆起」、下の顎に出来るものは「下顎隆起」と呼ばれ、どちらも骨の過剰発育から見られます。
多くは、噛み合わせの強さ等が影響していると考えられています。
患者さん自身がお気付きになられた際は、悪性のものではないか?と受診されることが多いのですが、骨の変形ですので心配はありません。
そのため、何か自覚症状がなければ、経過観察になります。
しかし、あまりに大きくなったことで話しにくくなったり、お食事を飲み込みにくくなることもあります。
また、入れ歯を作る際に支障が出る方もいらっしゃいます。
そういったケースは、外科的に切除をご提案することもあります。
先程の患者さんは、口蓋隆起に気付いてから、気にして触りすぎてしまって、赤く腫れ、痛みが出てしまっていました。自然に過ごしていただくことが一番です。
気になる方は、1度クリニックへ相談にいらしてください。
口蓋・下顎隆起の様にわかりやすいものもありますが、頬の粘膜や歯ぐき、舌などの状態の変化には、皆さんなかなか気付かれないことも多いようです。
些細な変化にも対応出来る様に、我々にお口の中を確認させて頂ければと思います。
むし歯や歯周病の治療目的には限らず、3ヶ月に1回程度は、クリニックへ。ぜひお待ちしております。
また、機会があれば、お口の中の粘膜の病気についてお話していきたいと思います
2021年06月29日
こんにちは、歯科医師の熊澤です。
4月から新入社員が増え、かなり院内も賑やかになってきました。
今回は歯ブラシの毛の硬さの選び方についてお話します。
スーパーマーケットやドラッグストアには様々な硬さの歯ブラシが陳列されています。
みなさんはどの硬さの歯ブラシを使用されているでしょうか?
硬い毛の歯ブラシはしっかり汚れが取れそうだけど痛そう…
柔らかい毛の歯ブラシは歯茎に優しいけど、汚れが落ちるのか不安…
沢山あってどれを選んだらよいか分からない!という方もいるのではないでしょうか?
歯ブラシを購入する時に悩んでいる方もいると思うので「歯ブラシの毛の硬さ」に関する1つの研究データを紹介します。
研究内容は歯茎の傷と歯ブラシの毛の硬さ、年齢、性別、ブラッシング時間、歯茎の下がり具合、プラーク(汚れ)、ブラッシングの頻度の関連性を調べたものです。
結果としては歯ブラシの毛が硬いものと柔らかいものを一定期間(28日間)使用した口腔内を比較すると歯ブラシの毛が硬いほうが柔らかいほうと比べ、歯茎が傷つけやすく、歯茎が下がりやすいことも分かりました。
つまり歯茎を傷つけないためには、歯ブラシの毛は柔らかいほうが良いということになります。
ただし歯ブラシの毛が柔らかすぎると汚れが落ちにくいため、毛の硬さは 普通~柔らかめが良いです。
歯茎が下がってくると知覚過敏(しみる症状)が生じる可能性が高まるため、知覚過敏に悩まれている方や歯茎に痛みがある方は一度歯ブラシの毛の硬さに注目してみてはいかがですか?
もしどの歯ブラシを選んだらよいか分からないという方は遠慮なく当院スタッフに相談してみて下さい。
もちろんそれぞれの口腔内の状況に合わせてご提案させていただきます。
次回は「歯みがきとフロスはどちらが先に使用したほうがよいか」について説明していきます。