2022年07月5日
こんにちは、歯科医師の熊澤です。
みなさんは虫歯治療後にしみる経験をしたことはありますか?
痛みはなかったのに、治療したらしみる症状が出た経験をした人もいるでしょう。
治療後にしみる原因はおおまかに2つあり、むし歯の大きさと治療時の刺激です。
まず1つ目のむし歯の大きさですが、歯の内側には痛みを感じる神経があります。
むし歯が大きくなるほど神経との距離は近くなり、しみる症状は強くなります。
2つ目の治療時の刺激ですが、むし歯の治療では高速回転させた器具を使用します。
水を出しながらではありますが、摩擦による熱刺激が神経に伝わります。
むし歯の治療中は麻酔が効いているため痛みは感じませんが、麻酔が切れてくるとしみる症状が出てくることがあります。
ただししみる症状がずっと続くわけではありません。
数日で落ち着く方もいれば数カ月かかる方もいます。
しみるくらいなら治療しない方が良かった!と思う方もいるかもしれません。
むし歯の中には痛みもなくジワジワと進むものもあります。
気づかず放置することによってズキズキとした耐えられない痛みに変わり治療が大掛かりになる可能性もあります。
むし歯は早期発見・早期治療が大切です。むし歯を見つけたり、痛みを感じたりしたら早めの受診を心がけましょう。
次回はしみる症状が落ち着いていく原理についてお話していきます。
2021年03月23日
むし歯は誰が作っているのか。
こんにちは、歯科医師の菅原です。
そろそろ春になってきて少しずつあったかくなってきましたね。皆さんいかがお過ごしですか?
前回の続きで今回もむし歯は誰が作っているのかを説明していきます。
前回口の中の菌が歯の周りや歯茎に溜まって行くと、プラークやバイオフィルムを作り、そうすると悪さをし始める事を説明しました。
そこに糖分を与えると、菌が糖分を食べて酸を出し始めます。
ですがまだこの段階では弱い酸なのでそれほど歯は溶かされません。まずはプラークやバイオフィルム内にいる菌に影響を及ぼして行きます。
どんな事が起こるかと言うと、酸に弱い菌が減って酸に強い菌ばっかりになります。
酸に強い菌は酸が好きなのでどんどん酸を出します。
すると口腔内の菌の種類に変化が起きて環境が変化します。
こうなるとどんどん酸を溶かして歯を溶かしてむし歯を作ります。
こうなってしまうと口腔内の状態を改善するのは難しくなってきます。
現代では糖を摂取しないのはかなり難しいので、他の人と同じ食生活を送っていただけでもむし歯になります。
皆さんはむし歯は誰が作っているのか予想がつきましたか?
もちろん狭く言えば口の中の菌です。
ですが口の中の菌は皆さんに存在しているので、国民全員がむし歯じゃないと説明がつかなくなります。
なので、むし歯を作るのは自分自身口の中の認識や気持ちだと思います。
むし歯になりやすいからしょうがないと思っている患者さんがいれば当院で一度診察を受けてみてはいかがでしょうか?
尾島デンタルクリニックではむし歯のなりやすさの検査である唾液検査なども希望者に実施しています。
総合的にお口の中がどの程度むし歯に対してリスクがあるかを診断できます。
自分がどのくらいむし歯になりやすいかを知るだけでお口の中の悩みへの対応が見えてくるかもしれません。
興味がある方は是非当院のスタッフに遠慮なくお伝えください。
次回はむし歯をどうやって予防するかを説明していきます。