セラミックってどんな点が良いの?
2025年01月27日
こんにちは。歯科医師の大藤です。
歯科治療で詰め物や被せ物で使用される素材として主に金属、セラミック、コンポジットレジンと呼ばれる樹脂が挙げられます。
この中でも、『見た目が良いだけじゃないんですか?』と良く聞かれる、セラミックの特徴についてご紹介しようと思います。
セラミックを入れた芸能人や有名人の方や、セラミックでピカピカに真っ白になった前歯など、色々なイメージがあると思いますが、どんな性質や特徴があるかご存知でしょうか?
まず、そもそもどんな時にセラミックを用いた治療が必要になるのか?ということについてですが、
・虫歯で歯の一部が失われた時の修復
・根の治療後に被せ物が必要になった時
・歯の変色や金属の修復物を審美的改善のためにやりかえる時
・金属アレルギーがあり口腔内に金属を入れられない時
・セラミック矯正(当院では行っていません)
など、治療の幅は幅広くあります。
セラミックの特徴は、簡潔に言いますと陶製の白い材料で、審美性が良く口腔や生体への親和性が高い材料です。
抽象的な表現ですので、詳しくご紹介してきますね。
まず見た目に関してですが、セラミックは天然の歯と同じような透明感や細かい濃淡まで再現できるため、極めて歯に近い美しい見た目で仕上げることができます。
私たち歯科医師でも、肉眼では天然の歯と見分けがつかないようなリアルな見た目に仕上げることができます。
(時折、有名人の方などで蛍光色の様な真っ白な前歯をお見かけしますが、当院での治療は周囲の歯と調和の取れた自然な色調で治療をご提案しています。)
また、天然の歯は食べ物や飲み物の色素が沈着し、段々と着色してきますが、セラミックは着色しにくい素材のため、白さを長く維持することができます。
これに対して、金属を使った銀歯は、金属が溶け出し、歯や歯茎が黒ずんだり着色することがあり、完全に着色を落とすことは難しくなります。
また、樹脂の材料はタッパーの様に色を吸収する性質があり、一度色がついてしまうと詰め替える以外に改善が難しくなります。
次にご紹介するのは、金属などに対して虫歯になりにくいという特徴で、一番大きな特徴です。
金属は、温度によって微量に膨張収縮をします。
これにより接着剤の劣化や溶出を招き、歯と隙間ができるため虫歯が再発しやすくなります。
これに対してセラミックは長期にわたって変形がほぼないため、歯と一体化した状態が保たれ虫歯が再発しにくいと言われています。
また、樹脂の材料は強度に劣り、小さな範囲の詰め物であれば問題ありませんが、大きい範囲を修復しますと、噛み合わせの力により欠けたところや微細な隙間から細菌が入り込みやすく、虫歯が再発しやすくなります。
ここまで、セラミックに関して、万能材質の様なご紹介をしてきましたが、実は気をつけなければいけない特徴があります。
セラミックは強い衝撃で壊れる場合があります。
お皿が割れてしまう状況がイメージしやすいと思いますが、普段は頑丈な素材も、当たり方や当たった先が悪いと破折のリスクはあります。
無理な力で噛んだり、厚みが不十分ですと壊れてしまうので、私たちも十分に留意して日々のセラミック治療にあたっております。
当院では、詰め物、被せ物の必要があったり、ご相談をいただいた際にはカウンセリングを実施しております。それぞれの特徴、費用、治療回数も含め詳しくお話をさせていただいてから治療を行なっております。
気になる方はぜひ、お気軽にご来院、ご相談ください!